
上の写真は、平成6年3月に筆者が購入した時の、今住んでいる自宅のチラシです。記念にとっておきました。土地49.15坪、建物2F計37,36坪です。大きな住宅ではありません。下の写真が現物です。左側の石塀は、隣家のものでその横に植木鉢が置いてあるところがカースペイスでした。車をやめたのでこんな有様。
住所は横浜市保土ヶ谷区です。

しかしチラシにありますように8850万円もしました。然も築5年の中古です。さらに驚くことに庭の一角には1億2千5百万というトタン看板が立っていました。バブルのほとぼりが冷め切らぬ頃でしたから投機目的で買った人がその値段で売ろうとしていたんでしょうか?
どうしてこんな高いものを恥ずかしながら年収1千万を超えたことのない男が買えたのか、それは親と住んでいた所が高く売れたためでしたが、組んだローンは52歳から72歳まで続く厳しいものでした。70歳を超えて働ける自信もないのに・・
なにしろ一家6人(両親と僕ら夫婦、子供二人)が住むので多少広いところが必要でした。幸い50代になってから個人経営の仕事が多少安定しました。妻もへそくりを全部だし娘も予想外の額を供出してくれました。一家で何とかしようという結束力が働き、どうにか乗り切ることができました。
現在どれくらいの価値があるのか、不動産屋さんの試算ですと4千万円くらいが無難なところのようです。しかし近所で同じような物件を大手不動産会社に即現金で売り渡した値段は、三千万を切っていたということです。
35年たち相当老化していますが手直しすればまだまだ使える気がします。しかし不動屋さんは、建物がないほうが撤去の経費がかからないから、土地だけのほうが幾らか高く売れるといいます。つまり古い建物は不動産としては厄介者なのです。
よく大雑把にですが住宅の耐用年数 日本30年アメリカ50年イギリス75年などといいます。これは使用する資材の優劣ではなく感覚の相違ではないでしょうか。現在の日本でアメリカと同質の材料を調達できないはずはありません。
日本では新築でも3年経てば中古感覚になり5年たてば完全に中古です。中古という古さを表現することになり、そして30年で使い捨てです。日本には新しいものは素晴らしいという感覚が根強く、例えば伊勢神宮の神殿などは20年ごとに建て直しています。
だが英語では中古物件をscond handといいます、直訳すれば二番手、つまり二番目に「手入れをする」という感覚で表されます。 根底に住宅は持ち主が変わってもリフォームしながら繋げていくという共通認識があるのではないでしょうか。その方が経済的だという合理的な考え方です。事実 日米では、リフォーム率に大きな差があります。
日本でもリフォームしやすい造りを売りにする住宅メイカーが現れてもいいのではないでしょうか。リフォームしながら使ってゆく方が50年という歳月のトータルを考えるとずっと経済的です。自治体によってはリホーム補助金がもらえます。
そして「新しい」という感覚が長く楽しめます。
まず地元の信頼できる施工業者、納得の工事内容を確認できる工務店を紹介してもらうのがベストです。
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