ビャクシン(柏槙)ーよく見る樹木ですがあまり知られていません。実は筆者も同様です。


写真上、ビャクシン(柏慎)の鉢植えが三つ並んでいます。盆栽というには大きすぎ左で90㎝高、中央50㎝高です。右側の3号ポットのアップが下の写真です。奥の小芽が昨年挿したもの。手前が今置いたもの。鉢の号数は一号三センチですから三号黒ポットは直径九センチです。一年中このまま放置状態です。
今から15年ほど前伊豆半島へドライブに行きました。確か二月の寒い日でした。海越しの富士が美しい大瀬崎に立ち寄り、駿河湾漁民信仰を集める大瀬崎神社にたちよりました。時期外れなのか誰もいません。小さなゲートのある社務所も無人です。
入口に参拝料を記した手書きの紙と小箱が置いてありました。妻との二人分を置き境内へ。ここは駿河湾に突き出た小さな半島でその幅も数十メートルかと思えるほどしかありません。
ですがその先端にある池は、ぐるりと海に囲まれながら不思議なことに淡水なのです。池の周りは大木が取り囲んでいます。それがビヤクシンなのを後で知りました。
一時間ほどして社務所に戻ると神主さんと境内を管理する人がいてしばしビヤクシン談義。別れ際に「しかし嬉しいね。こんな誰も来ないときに来ても黙って参拝料置いてってくれるなんて」
「記念に持ってきなよ」と大木の根元に芽生えたまだ苔のような若木をくれました。盆栽を育てる技術は何もない。しかし鉢に植えておいたら風格が出てきました。タフな樹です。こんなタイプの樹が挿し木できるなんて知りませんでした。